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​絵の置かれたリビング

A living room with paintings

私生活の土壌となるニュータウンのある住宅を用いた企画展示である。庭を起点に動線の形式をずらし、鑑賞者は普段とは異なるアプローチで住宅へと入っていく。アナグラムのように組み替えた一連の動線によって何度も、内側と外側、表面と裏面のような、対立する状況を行き来する。そうして、住宅に残る様々な世代による住み繋がれた生活の痕跡や、積み重なった時間の層を取り扱った日本絵画の展示を媒介に、実体がなく変動し続ける生活像のような「かたちの輪郭」を辿る。

日本絵画の在り方や保存修復という技術とありふれた住宅の増改築という形式を重ね、日本絵画の文脈における時間軸が大量供給による分譲住宅に別の時間軸を与え、折り重なった文脈に光を当てることとなった。展示としての鑑賞行為や計画住宅地の近代性を批判的に取り扱うことを試み、ニュータウンの戸建住宅の生活の場を活用した動的な実践の一つとして提示した。
 

​展示

2021年

​埼玉県

共同制作:花岡美優

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